私設工房の作業日誌です。主に船を作っています。

アオシマ1/350「摩耶」(1944)の製作(11)
今週の進捗状況です。


船体中央の機銃甲板を中心に表現を加えました。

 
摩耶の機銃甲板はキットの部品は一直線ですが設計図面上は中央部が若干高く段差が付いています。段差は直下に缶室からの自然吸気筒が立っているためで、キットはそれがほとんど再現されていないので一直線でも不具合がない訳です。部品の加工は後部の位置関係を修正した関係で難しいためプラ材で作り直して脚の部分のみ移植し、裏側にエッチングのサポートを加えました。中央に立っている部屋は魚雷戦の予備指揮所です。


缶室や機械室の吸排気口もキットは表現が弱かったり無かったりで追加しました。


機銃甲板の下にある構造物は下が高射砲/上が一般のそれぞれ兵員待機所です。戦争末期になるとどの軍艦も高射砲や対空機銃が隙間無いほど増設されていきましたが、兵器が増えるに従ってそれを操作する人員も増え敵の急襲に備える目的もあってこのような特設の待機所がいたる所に作られるようになりました。キットには上側の部品も機銃甲板と一体化する形で付いていますが、形状がいま一つなのでプラ材で作りました。

  
船体中央部の4基の高射砲台座は艦首側(画像右側)の3・4番砲は平面型が違い、艦尾側(左側)の5・6番砲も船体内側に入る部分の平面形が若干違うので共に作り直しました。高射砲兵員待機所の3・4番砲の台座に接している部分も若干形が異なるので修正しました。



今年の更新はこれで終わりです。数年来の懸案だった赤城がやっと終わった他は1/700が2隻と思ったほどには作れませんでした。作りたい船は沢山ありますが時間が追いつかないのがなんとももどかしい思いです。

来年の見通しとしては、1/350は摩耶が早くてもあと2ヶ月程度、その次は航空母艦を一隻と大和の順で考えています。ただし目を引くような新製品が出るようならば変更するかもしれません。1/700は中断中の瑞鳳までは作りますがその後は1/350の合間に作れるようならば作ります。

アオシマ1/350「摩耶」(1944)の製作(10)
今週の進捗状況です。

航空機作業甲板まで進んだのでシェルター甲板と合わせて艦載艇の収まり具合を見てみました。設計図面上は若干の余裕が出るのにキツキツ。また作業甲板と下の船室の艦首側の間隔もほとんどないはずなのに奥まっています。何かが変です。


改めて設計図面とキットを比較してみると、摩耶のカタパルト支柱が高雄よりも1.5m近く艦尾側に寄っているのにキットは部品が共通化されているために艦載艇収納スペース周辺の位置関係がおかしくなっているようです。追加で修正作業が生じてしまいました。

船のプラモで構造物の位置関係の微妙なずれは割とあるもので、ロボットやフィギュア等のプロポーション修正とは異なり直しても全体の印象は変わらない事がほとんどなので通常は無視しますが、今回は最大4mmとちょっと大きなずれだったので手を入れました。

①カタパルト支柱を切り離して4mm艦尾側に移動
②航空機作業甲板を前後に4mm切り詰め艦首側の切り欠きも2mm深くする
③シェルター甲板の後端を4mm延伸し後部艦橋の位置も移動
④後部探照灯台支柱と5・6番高射砲台座の位置を3mm艦尾側に移動
⑤中央機銃台の作り直し
⑥内火ランチを12mから11.5mに変更
 (12mの部品から前後に1.5mm詰める)


幸いにも修正できましたが、一旦組み上げた部分を切り開くのはかなり凹みました。事前によく調べたつもりでしたがこの周辺は高雄と同一仕様と思い込んでいました。


内火ランチも設計図面をよく見ると重巡標準の12mではなく11.5mという若干小さいタイプと描かれていました。部品はなく1/350で1.5mm程度の差違であれば無視することもありますが、設置周辺の位置関係がシビアなので12mタイプから切り詰めて作り直しました。


後部艦橋中段の部品は船室が大きすぎるので削り床面を1mm伸ばしました。後部煙突と接する部分の形状も異なるので修正しました。探照灯台支柱の片側が一部プラ板になっていますが、これは図面の読み違いで誤ってカットしたもので本来は部品のままで良い所です。


キットの中央機銃台の部品は後部艦橋の天井と一体化されていますが、摩耶の設計図面は5分割されていてそれぞれ高さも微妙に違うように描かれています。位置関係の絡みもあってこの部品は使えないのでプラ板で作り直し支柱を移植します。上の画像は中央部分が一直線になっていますがテープを貼った部分で段差が付きます。

これら位置関係の修正はほぼ終わったので細かい表現を加えます。

アオシマ1/350「摩耶」(1944)の製作(9)
今週の進捗状況です。


船体後半の甲板を製作中です。前半と同じく吸気口やハッチ等は塗装の関係で後で取り付けます。細長く開いている穴は開状態の出入口です。

 
艦尾の端もキットの表現が弱いので彫刻を全て削って作り直しました。舷側に2個ずつ並んでいる爆雷投下台は余りのエッチングを組み合わせて作りました。艦尾の船名はフライホークの摩耶専用エッチングの部品です。


後部甲板の端に沿って囲われている部分は画像奥側は流し場、手前で窪んでいる部分は係船桁(艦載艇を一時係留したり乗員が乗り移るための棹)の収納スペースです。キットにも表現がありましたが甲板と船体の整形の都合で削り落としたためプラ材で作り直しました。


航空機作業甲板下の船室はキットは高雄のコピーで、摩耶は若干形状が異なるために一部作り直しました。内部配置の多くが異なるのと高雄では作業甲板の上に出ている前部機械室排気筒が摩耶では船室側面に出るためです。キットの甲板は船室に沿ってくぼみがあるので変更した部分をパテで埋めました。船室左側の後部機械室排気筒のカバーの形状も異なるので作り直しました。船室には後で窓やドアを追加します。


航空機作業甲板は運搬軌条と回転盤の位置が設計図面と異なるので一旦表面の彫刻を全て削り落としました。ここにはライオンロアのエッチングを貼ります。

アオシマ1/350「摩耶」(1944)の製作(8)
今週の進捗状況です。


船体前半の甲板の製作がほぼ終わりました。吸気口等は塗装の関係で錨甲板の部分にのみ取り付けました。細長く開いている穴は開状態の出入口です。


キットの錨甲板は高雄のものらしく摩耶は細部が若干異なるのでかなりの彫刻を作り直しました。吸気口のうち金色に見えるものについては今回フライホーク社の真鍮部品を使用しました。錨鎖は実際もう一回りほど細いのですが、それだと艦首周りが貧弱に見えるのであえて太目の鎖でメリハリを付けました。


艦首先端の菊花紋章が付く付近もキットは今一つ特徴が出ていなかったので作り直しました。

 
前部の高射砲座はフライホーク社の摩耶専用エッチングセットの部品ですが後方にやや長いたの若干カットし、兵員室出入口と干渉する部分に切り欠きを設けました。取り付けると甲板と隙間が開くのでパテで埋めました。

理由はわかりませんが終戦後の空母の写真などを見ると連装高射砲の台座はキットのような平坦な形ではなく周囲が一段高い構造になっていたようです。摩耶の設計図面で艦尾寄りの高射砲付近の断面もそのようにも受け取れる表現として描かれています。1/700は高さの位置関係を厳密に決めなくてはいけない航空母艦を除いて無視する事もありますが、1/350はそういう訳にもゆかないので内側にプラ板を貼って段差を表現しました。


ベテランモデルの高射砲を載せるとこんな感じになります。

アオシマ1/350「摩耶」(1944)の製作(7)
摩耶の製作は船体の外側がかなり出来てきましたが甲板はまだ手つかずの状態です。月も替わったので現状を報告します。


船体外板の表現は以前鳥海でやった繰り返しですがアレンジを若干変えました。製作の都合で一部の合わせ目がかなり強調気味になっていますが塗装してスミ入れすれば目立たなくなるはずです。船体の丸窓は戦闘で浸水を引き起こすという理由で戦争末期になると多くが閉鎖されました。窓は開いているものも閉鎖もエッチング部品を使いました。


艦底に半円形に並んでいるリング状の表現は水中聴音機といって、高感度のマイクを多数付け水中の音を探って敵潜水艦の動向を知ろうとした兵器で戦争末期には多くの艦に装備されていました。摩耶の設計図面にも設置区画が示されていますがキットに表現が無かったのでリング状のエッチングを貼り付けて表現しました。

実際のところは感度も精度も悪く、自艦や味方の艦のスクリュー音が混ざるなどして有効な探知は難しかったそうです。摩耶の最期の状況に至っては艦の左側に居たにもかかわらず右側に敵の気配と全く逆の探知を行ってしまい、それが元で魚雷攻撃への対応が遅れて4発が命中しなすすべなく沈む結果につながってしまいました。


最終状態の摩耶は浮力増加と水中防御の目的で船体の外側にバルジと呼ばれる大きな膨らみが付いていました。この部分の外板ラインを示した資料は全くないので、船体形が同じ妙高型重巡の船体中央と前後部の構造断面図やバルジが破壊された終戦後の重巡青葉の写真などを参考に水平なラインと判断してそのように表現しました。

舷側に付いている棒状のものは生活排水の排出口のカバーです。摩耶の正確な位置を示した資料は無いようです。そこで高雄の内部区画配置とカバーの位置を照らし合わせてみると、ほとんどは厨房(配膳室)・浴室・便所と兵員食堂の位置にあります。すなわち普通の一般家庭と水回りは同じです。摩耶は左舷側の区画配置が高雄とほぼ同じなので高雄の排出口をそのままコピーしました。右舷側は区画が多少異なるので該当する配置位置に当てはめて表現しました。


艦底の給排出口も表現しました。鳥海のときと同じく妙高型重巡の配置のコピーです。


艦尾はこのような表現です。シャフトブラケット付近や舵に並んでいる長方形の彫刻は船体の腐食を防ぐための防触板で、形や配置は船によって違い高雄型の資料が無かったので軽巡矢矧の設置図を元に表現しました。

現状はこの通りです。これから甲板の表現を加えます。
Copyright © 桜華工房 作業日報. all rights reserved.
まとめ